茨城県における現状

ここ茨城において十数年間、さまざまなNPO法人・団体が「不登校」「ひきこもり」問題に取り組んできました。しかしこれらの問題は、当事者である青少年・若者たち一人ひとりの心の闇や、家庭内の関係性に入り込まなければならないという点で非常にデリケートなものであるため、草の根レベルで個別に問題に取り組むという形で進められてきました。
もちろん、そのような状況下においても、個々のNPO法人はその特徴を生かしながら、青少年・若者たちへの支援において一定の成果をあげてきましたが、今日、「不登校」「ひきこもり」が増加の一途をたどり、さらに「ニート」そしてその中から悲しく痛ましい事件が起きてしまっている現状を鑑みると、もはや「家庭・学校」、または個々の団体の草の根活動のみに、その解決をすべて求めるのは難しいということは明らかです。

ひきこもりは今や社会・国の問題に

つまり、少子化問題なども絡めて考えると、これら「不登校」「ひきこもり」「ニート」問題は単に教育問題のひとつという枠に収まらず、日本という国の社会問題、未来への問題でもあると捉えられるのです。故に、個人や家庭の内側へと解決を求めるのではなく、問題をオープンにし、これらの問題が社会に正確に認知され、地域と社会全体で青少年・若者たちを育んでゆくという方向性が重要になるのです。

マクロな視点に立った活動を

そのためには、当事者一人ひとりの支援をメインの活動とする個々のNPO法人の活動に加え、国・県の事業と連携しながらマクロ的な視野に立った大きな連帯と活動が必要だと考え、県内において「不登校」「ひきこもり」「ニート」支援活動を行っている各NPO法人・団体・個人が連帯し、『特定非営利活動法人若者サポートステーションいばらき』(2007年7月より特定非営利活動法人若年者社会参加支援普及協会アストリンクに名称変更)を設立することとなりました。
今後、さらに多くの機関、団体、個人との協力体制を構築し、より開かれた社会を目指す提言を行ないながら、一人でも多くの青少年・若者そしてご家族へのサポートを行なっていきたいと思います。

2006年4月  若者サポートステーションいばらき